
オルラヤ・ホワイトレースの育て方|こぼれ種と種取りで毎年楽しむコツ
オルラヤ(オルレア)は、ふんわりと広がる白いレースのような花が魅力の一年草です。春から初夏にかけて咲くその姿は、ナチュラルガーデンやイングリッシュガーデンによく合い、切り花としても高い人気があります。こぼれ種で自然に増える丈夫さもあり、初めての方でも育てやすいのが特徴。この記事では、オルラヤの基本的な育て方から、種まき・開花期の管理・種の採取・こぼれ種対策まで、実体験を交えて詳しく紹介しています。これから育ててみたい方の参考になれば嬉しいです。
Contents
オルラヤの基本情報
| 科名 / 属名 | セリ科 / オルラヤ属 |
|---|---|
| 学名 | Orlaya grandiflora |
| 和名 | オルラヤ |
| 英名 | White Lace Flower |
| 別名 | ホワイトレースフラワー、オルレア |
| 原産地 | 南ヨーロッパ |
| 分類 | 一年草(秋まき越年草・こぼれ種で越年することも) |
| 草丈・樹高 | 約60〜80cm |
| 横幅・株間 | 約30〜40cm/株間30cm程度が目安 |
| 開花期 | 5月〜6月 |
| 花色 | 純白(中心部にわずかにグリーンを含むことも) |
| 花径 | 約5〜8cm(整ったレース状) |
| 耐寒性 | 強い(−5℃程度まで対応) |
| 耐暑性 | 弱い(夏は枯れる一年草扱い) |
| 耐陰性 | やや弱い(日なたを好む) |
| 耐乾性 | 中程度(乾燥気味を好むが乾燥しすぎないように) |
| 耐湿性 | やや弱い(過湿・蒸れに注意) |
| 日照条件・置き場所 | 日なた(半日陰可だが花つきは落ちる) |
| 用土 | 水はけの良い草花用培養土(弱アルカリ〜中性) |
| 肥料 | 元肥のみでOK。追肥は控えめに。 |
| 植えつけ適期 | 秋まき(9月〜11月)または春まき(2月〜3月) |
| 植え替え適期 | 移植を嫌うため、直まきまたは早めの移植が基本 |
| 水やり | 鉢植えは乾いたらたっぷり、地植えは自然雨で十分 |
| 用途 | 花壇、切り花、寄せ植え、ナチュラルガーデン |
| 増やし方 | 種まき(秋まきが開花率・草姿ともに良好) |
| 夏越し | 基本的に夏前に枯れて終了(種取り後に撤去) |
| 冬越し | 秋まき苗は屋外越冬可(霜除けがあると安心) |
| その他注意点 | 移植を嫌うので、直まきまたは早めの鉢上げが◎。こぼれ種でも増えるが間引き推奨。 |
オルラヤの育て方と特徴
オルラヤは、繊細な白いレースのような花を春に咲かせる一年草(または越年草)です。寒さに強く、秋まき〜春にかけてじっくり育てることで、5〜6月にふんわりと広がるナチュラルな花姿を楽しめます。切り花としても人気が高く、こぼれ種でもよく増えるため、ナチュラルガーデンやイングリッシュガーデンにもよく使われています。
主な特徴
- 開花期:5月〜6月。初夏の庭にぴったり。
- 花色・花形:純白でレースのように広がる整った花形。
- 草丈:60〜80cm前後で、自然に風にそよぐ姿が魅力。
- 耐寒性:強く、関東以南では霜に当てながら屋外越冬可能。
- 耐暑性:弱く、夏前には枯れる一年草扱い。
- 管理が簡単:病害虫が少なく、放任でもよく育つ。
育て方のポイント
種まき
オルレア・ピエリスホワイトは秋まきが基本です。9月〜10月にセルトレイやポットに種をまき、本葉2〜3枚程度で定植します。春まきも可能ですが、気温が急に上がると草姿が乱れたり、うまく開花しなかったりすることがあります。発芽には2〜3週間ほどかかるため、乾燥しすぎないよう管理するのがポイントです。移植を嫌う性質があるため、発芽後は根を傷めないよう早めに定植するか、直まきが向いています。
土づくり
水はけの良い草花用培養土を使用しましょう。オルレアは中性〜弱アルカリ性を好むため、酸性に傾いた土壌で育てる場合は苦土石灰を混ぜてpH調整すると安心です。鉢植えの場合は、赤玉土小粒5:腐葉土3:パーライト2の割合もおすすめです。過湿に弱いため、鉢底石やスリット鉢を活用して排水性を高めておくと根腐れ防止になります。
日照
オルレアは日当たりを好む植物で、1日に4時間以上しっかりと光が当たる場所で育てるのが理想です。半日陰でも育ちますが、花数が少なくなったり、茎が間延びして倒れやすくなります。特に開花期前の春先は、十分に日光を当てておくことでしっかりとした株に育ち、美しい花が楽しめます。風通しのよい場所を選ぶことで、蒸れや病気も防ぎやすくなります。
水やり
地植えの場合は、一度根付けば特に水やりは不要です。自然降雨だけで十分育ちます。鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと水を与えますが、常に湿った状態が続くと根腐れの原因になります。特に冬の育苗期間中は、過湿を避けて乾燥気味に管理しましょう。水やりは朝のうちに済ませ、蒸れないよう心がけます。
肥料
基本的に肥料は控えめで育てられます。種まき時に元肥として緩効性肥料を用土に混ぜ込んでおけば、追肥は不要なことがほとんどです。肥料が多すぎると茎葉ばかり茂って花付きが悪くなったり、倒伏しやすくなったりします。春まきの場合も同様に、定植時にごく少量の緩効性肥料を与える程度で十分です。
移植
オルレアは根を切られることを非常に嫌うため、移植の際には極力根鉢を崩さずに扱います。セルトレイなどで育苗した場合は、本葉2〜3枚の若いうちにポット上げするか、直まきして間引き管理するのが理想的です。根鉢を壊すと活着が遅れ、成長が止まったり枯れたりすることがあります。植え付け時は曇りの日や夕方を選び、たっぷり水を与えておきましょう。
育成カレンダー(秋まき・春まき)
| 月 | 主な作業 |
|---|---|
| 9〜10月 | 秋まき適期。セルトレイまたは直まき。移植は早めに。 |
| 11〜2月 | 苗は低温にあてて屋外越冬。霜除け程度の簡易保護でOK。 |
| 3〜4月 | 春まきも可能。早めに播いて育苗→定植を。 |
| 5〜6月 | 開花期。花がら摘みや倒伏防止の支柱設置。 |
| 6〜7月 | 種の採取。枯れて終了。こぼれ種で翌年発芽もあり。 |
育てる上での注意点
- 夏越しはできないため、毎年種を採取して更新するのが基本です。
- こぼれ種でも増えますが、発芽率や花姿は年によってばらつきが出ます。
- 発芽には2〜3週間かかることもあるので、乾燥と過湿に注意します。覆土は軽くかける程度にします。
オルラヤは、手間が少ないうえに高い観賞価値を持つ魅力的な一年草です。ふんわりと広がる純白の花姿は、他の草花と合わせやすく、寄せ植えや自然風の庭づくりにぴったり。初めて育てる方にもおすすめの花なので、ぜひ取り入れてみてください。
種の採取・保存方法
- 6月下旬ごろ、花後に緑色→茶色に熟したタネを収穫。
- 中にとげのある二つ割れ形状のタネ。手袋で扱うと安全。
- 乾燥させて封筒やチャック袋に入れ、冷暗所で保管。
- 発芽率は比較的高く、翌秋には再播種可能。
オルラヤは、華やかすぎない自然な美しさと、手のかからない育てやすさを兼ね備えた草花です。種まきのタイミングや移植の注意点など、いくつかのコツはありますが、一度慣れれば毎年こぼれ種や自家採取したタネで簡単に楽しめるのも魅力のひとつです。ふわっと咲いた白いレースのような花が庭を優しく彩ってくれるこの季節を、ぜひご自身のガーデンでも味わってみてください。使用した用土や便利な道具も紹介していますので、よければチェックしてみてくださいね。
これまで育てたオルラヤ生長日誌






















