ペンタスの育て方ガイド|暑さに強い花壇のスターを育てよう!

ペンタス(Pentas)は、夏の花壇を彩る定番の草花。原産地は熱帯アフリカで、耐暑性は強いものの耐寒性は弱め。育て方では「置き場所」「冬越し」「挿し木での増やし方」などを中心に初心者でも育てやすいポイントをまとめました。

ペンタス 地植え 2025/8/18

ペンタス(Pentas lanceolata)は、夏の花壇を彩るスタイルリッシュな花で、暑さに強く花期も長いため人気があります。この記事では、基本情報に加えて、種まきから育苗、用土・肥料・水やり、病害虫対策、挿し木での増やし方、季節ごとの管理まで調べてまとめました。特に暖地での栽培に適したコツも交えて、初心者にもわかりやすく紹介します。

ペンタスの基本情報

ペンタスは、星型の小さな花をまとまって咲かせる一年草扱いの多年草(低木)で、夏の花壇を彩る人気の花です。花色はピンク・白・赤・紫など豊富で、コンパクトながらボリューム感があり、寄せ植えや花壇のアクセントにも最適。暑さに非常に強く、夏でも元気に咲き続けてくれる頼もしい植物です。

科名 / 属名 アカネ科 / クササンタンカ属・ペンタス属
学名 Pentas lanceolata
和名 クササンタンカ(草山丹花)
英名 Egyptian Star Cluster
別名 ペンタスランセオラータ、エジプシャン・スター
原産地 熱帯アフリカ
形態 低木・多年草(寒冷地では一年草扱い)
草丈・樹高 約30〜80cm(品種による)
横幅・株間 約30〜50cm(株間は20〜30cm程度が目安)
開花期 5月~11月(夏〜秋)
花色 白・ピンク・赤・紫など
花径 約1〜2cm(星形の小花が多数集まって咲く)
耐寒性 弱い(5〜6℃以下で要保護)
耐暑性 非常に強い
耐陰性 やや弱い(半日陰でも育つが、花つきが悪くなる)
耐乾性 中程度。乾燥にはやや強いが、真夏は水切れに注意
耐湿性 弱い。過湿・多湿は根腐れの原因になるため注意
日照条件・置き場所 日当たりの良い場所が最適。夏でも直射日光OK
用土 水はけの良い草花用培養土
鉢は軽石などで排水性アップ
肥料 植え付け時に緩効性肥料
以降は月2回程度の液肥が効果的
植えつけ適期 春(4月〜6月)※霜がなくなってから
植え替え適期 生育期前の春が最適
鉢が根詰まりしたら随時OK
水やり 表土が乾いたらたっぷりと
夏場は朝夕の2回も◎
用途 花壇・寄せ植え・鉢植え・玄関前の彩りなど幅広く活用可
増やし方 挿し木(5〜10cmの枝を春または秋に挿す)
夏越し 特別な対策不要。暑さに非常に強く、真夏でも咲く
冬越し 寒さに弱いため、5℃以下になる地域では室内に取り込む
その他注意点 ・蒸れに弱いため、風通しの良い場所に置く
・花がら摘みをこまめに行うと◎

用土と肥料のポイント

ペンタスは、暑さに強く育てやすい花ではありますが、用土や肥料の選び方を少し工夫するだけで、花付きや株のボリュームが大きく変わってきます。

ペンタスは、水はけと通気性の良い土壌を好みます。根が蒸れると根腐れや生育不良につながるため、保水性よりも排水性を重視した土を使いましょう。
特に鉢植えでは、土の排水性や肥料の頻度によって根の健康が左右されるため、草花用培養土+軽石やパーライトを混ぜて排水性確保しましょう。

おすすめの用土配合例

  • 市販の「草花用培養土(花苗用)」だけでもOK
  • 自分でブレンドする場合は以下のような比率がおすすめ:
    赤玉土(小粒):6
    腐葉土:3
    パーライトまたは川砂:1

鉢植えの場合のポイント

  • 鉢底には軽石を1〜2cm程度敷くことで排水性アップ
  • 鉢の中に水がたまらないように、受け皿の水は溜めないよう注意しましょう

肥料の与え方のポイントとタイミング

ペンタスは生育旺盛で、定期的な追肥を行うことで花つきが良くなります。逆に肥料が足りないと、花が少なくなったり葉ばかりが茂ることもあります。

  • 元肥(植え付け時):緩効性の粒状肥料を土に混ぜ込んでおくと安心
  • 追肥(開花期):5月〜10月の花期には、2週間に1回ほどの液体肥料を与えると効果的
  • 肥料の与えすぎに注意!
    肥料が多すぎると葉ばかり茂って花が咲きにくくなることがあります。
    適量を守って与えることが大切です。

水やり・管理とトラブル対策

ペンタスは高温期でも元気に育つ丈夫な花ですが、水やりのタイミングや環境管理によっては思わぬトラブルが起きることもあります。以下のポイントを押さえておくと、より長く美しく育てられます。

水やりのポイント

ペンタス 水やりのポイント

  • 土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
  • 夏場の鉢植えは朝と夕方の1日2回の水やりが理想的です。
  • 過湿を避けるため、鉢皿に水が溜まったままにしないように注意しましょう。
  • 地植えの場合は、根が張ってからは乾き気味でも育ちますが、晴天が続くときは補水が必要です。

よくあるトラブルと対策

  • 葉が黄色くなる:過湿・肥料の与えすぎ・根詰まりが原因の場合があります。水やりと土の見直しを。
  • 花が咲かない:日当たり不足や肥料切れの可能性。日当たりの良い場所に移し、定期的に追肥を行いましょう。
  • アブラムシ・ハダニの発生:春〜初夏や、風通しの悪い場所で発生しやすくなります。
    定期的に葉裏もチェックし、見つけ次第ベニカスプレーなどで早期対応を。
  • 蒸れによる株の弱り:梅雨時期や湿度が高い季節は、風通しの良い場所に置くか、枝葉をすっきりと剪定して通気性を確保しましょう。

水やりは“乾いたらたっぷり”が基本ですが、鉢や置き場所、季節によって調整することが大切です。
こまめなチェックと早めの対策で、トラブルを防いで元気なペンタスを育てましょう。

季節ごとの管理:夏越し・冬越し

ペンタスは暑さにとても強い花として知られていますが、真夏や冬の環境次第では株が弱ることもあります。四季を通して健康に育てるためには、それぞれの季節に合わせた管理が大切です。

夏越しのポイント

  • 真夏の直射日光にも耐えますが、鉢植えの場合は土が極端に乾きすぎるのを防ぐため、午後だけ半日陰に移すのも◎。
  • 水切れ防止のため、夏場は朝夕の2回の水やりを意識。特に鉢植えは注意。
  • 蒸れやすい時期なので、株元の風通しを確保。葉が込み合ってきたら軽く剪定を。
  • 花がら摘みをこまめに行うと、花つきが持続しやすくなります。

冬越しのポイント

  • ペンタスは5℃以下の寒さに弱く、霜に当たると枯れてしまうため注意が必要です。
  • 暖地では軒下や簡易温室などで防寒すれば屋外越冬も可能。
  • 寒冷地や霜が降りる地域では、室内の明るく暖かい場所に鉢ごと取り込むのが安全。
  • 地植えの場合は、根元をバークチップや落ち葉などでマルチングして保温します。
  • 冬は成長が止まるため、水やりは控えめに(月2〜3回程度)でOK。

以前室内管理で冬越しをさせたことがあります。

ペンタス(ピンク)の生長日誌(冬越し) 2023年6月〜2024年12月

夏も冬も極端な環境にだけ注意すれば、ペンタスは一年を通して楽しめる丈夫な花です。季節ごとのポイントを押さえて、長く元気な株に育てましょう。

増やし方:挿し木で増やす方法

ペンタスは種から育てることもできますが、もっと簡単に増やしたい場合は挿し木(さしき)がとてもおすすめです。成功率が高く、同じ色や形の花をそのまま増やせるため、ガーデニング初心者にも人気の方法です。

挿し木の適期

  • 春(4月~6月)または秋(9月~10月)がベストタイミング
  • 高温多湿の真夏や寒すぎる冬は避ける

挿し木の手順

  1. 元気な茎を5〜10cmほど切る(花やつぼみは除き、若い枝を選ぶ)
  2. 下の葉を取り除き、上の2枚程度を残す(蒸散を防ぐ)
  3. 茎の切り口を斜めにカットし、可能なら発根促進剤(ルートンなど)を塗布
  4. 挿し木用の清潔な土(赤玉土小粒バーミキュライトなど)に挿す
  5. 明るい日陰で管理し、乾燥しないように霧吹きなどで保湿

発根後の管理

  • 2〜3週間で発根。軽く引いて抵抗があれば発根のサイン
  • 発根が確認できたら、3号ポットや鉢に植え替え
  • 明るい日なたで徐々に日差しに慣らし、通常の管理に移行

挿し木で増やすと、手持ちの株から気軽に数を増やせて経済的。色違いを並べたり、寄せ植え用に仕立てたりと、楽しみ方も広がります。ぜひお気に入りのペンタスで挑戦してみてください😘

種まき・育苗方法(種から育てたい人へ)

ペンタス 種まき
▲ ペンタスのポット上げ後の育苗イメージです

ペンタスは苗での流通が主流ですが、じつは種からでも育てられる植物です。発芽まで少し時間はかかりますが、育苗の過程も楽しみのひとつ。種から育てることで、より愛着のある株に育ち、色の組み合わせを自由に選べるのも魅力です。
ペンタスの種まきに適した時期や発芽温度、育苗時のポイントなどを、初心者にもわかりやすくまとめました。「種から育ててみたい!」という方にぴったりな情報ですので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 種まき時期:春(3月~5月)または室内育苗で早めに開始します
  • 発芽温度:20〜25℃。発芽まで約7〜14日
  • 覆土の厚さ:光を好む種子なので薄く(ごく軽く)覆土
  • 本葉が出るまで管理:発芽後すぐの苗はとても繊細。双葉が展開し、本葉が2〜3枚出るまでは明るい日陰で乾燥・直射日光を避けて管理。乾燥を防ぐため透明カバーを活用するのもGood👍🏻
  • ポット上げのタイミング:本葉が2〜3枚になり、根がしっかり伸びてきたらポット上げ(鉢上げ)を行う。
  • 使用するポット:3号ポリポットや育苗ポットが適切。草花用の培養土に植え替える。
  • ポット上げ後の置き場所:明るい半日陰〜日なたに移動。風通しの良い場所が理想。
  • 水やりのコツ:土の表面が乾いてきたらたっぷりと与える。常に湿らせすぎないように注意。
  • 肥料管理:ポット上げ後10日ほど経って活着が確認できたら、液体肥料を月2回程度与える。

種の採取方法

ペンタスは種からも増やせる植物で、秋の終わり〜初冬にかけて種の採取が可能です。

花が咲き終わった後、中心部に小さなサヤのような種子ができるので、茶色く乾燴してきたら採取のタイミング。手で軽くつまんでみて、ポロポロ落ちる状態になっていればOKです。
種は乾燥させてから封筒や紙袋に入れて、風通しの良い涼しい場所で保管しましょう。翌春の種まき用にとっておけば、自家採取でコストをかけずに楽しめるのも魅力です。

月別お世話スケジュール(暖地向け)

ペンタス ピンク 2024/11/11

主な作業
3月〜4月 室内育苗/種まき準備
5月 定植・追肥開始
6月〜10月 開花シーズン|水やり・追肥・花がら摘み
11月 切り戻し・冬支度
12月〜2月 寒冷地は室内管理/暖地は簡易霜よけ

よくある質問(FAQ)

ペンタスは1年草ですか?
多年草扱いですが、寒さに弱いため多くの場合は一年草として育てられます。
花が咲かなくなったのはなぜ?
肥料不足・日照不足・花がら未摘みが原因のことが多いです。
切り戻しはいつすればいい?
夏の終わりや株の形が乱れたときに行うと、再度枝分かれして花が咲きやすくなります。

おすすめガーデニング用品

ペンタス栽培におすすめの資材を紹介します。

まとめ:ペンタスを長く楽しむポイント

ペンタス 地植え 2025/8/25

ペンタスは初心者にも育てやすく、たくさんの花を咲かせてくれる魅力的な植物です。
種まき・育苗・剪定・季節ごとの管理まで、この記事で紹介したコツをおさえれば、より安定して美しく育てられます。
暖地では冬越しにもチャレンジできるため、越冬方法も試してみてくださいね😁👍🏻

これまで育てたペンタスの生長日誌

ペンタス(ピンク)の生長日誌(冬越し) 2023年6月〜2024年12月
ペンタス白 2024/6/30
ペンタス白 生長日誌 2023年9月〜

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